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地蔵盆の現在 

今日の発表はF田さん。コメントはK川くん。
F田さんの発表題目は「現代の京都の地蔵盆について」というもの。地蔵盆というのは、近畿圏を中心に残る習俗で、特に京都では町内会ごとに夏に「地蔵盆」を行い子供のリクリエーションの場となっていることで知られているが、彼女はいくつかの町内会や、地蔵を貸し出すお寺(レンタル地蔵と呼ばれ、結構有名)に話を聴きに行き、今はそのフィールドワークの成果を消化して、もっと詳しい分析を加えようとしているところ。
フィールドワークでの細かい話は省略するが、概略を言えば、地蔵盆を行う自治体が減少し、宗教性が薄れているのは事実だとしても、一方では地蔵をレンタルしてまでその存続を図る町内会や人々もいるし、それを支えるお寺の活動もある、ということである。つまり「コミュニティ維持(保全)」の機能はしっかりある、ということは言えそうだ。

発表では平成の約20年間に、レンタル地蔵がぐんぐん減っていることがグラフでも示されたが(彼女がお寺の台帳から作製した)、K川くんが言うように「人口の減少より、地蔵盆の減り方は急激なんじゃない?」ということも言えるかも知れない(このアイディアはしっかりもらうように)。K川くんは京都市の細かいデータを見ての話ではないので、もしかしたら京都市の子供の人口の増減と比較すれば、その減少にシンクロしているか、していないかで三通りの答えが見つかるはず、とアドヴァイス(シンクロしていたら「子供の人口減で地蔵盆も減少」というありきたりだが確実な推測、地蔵盆の減り方の角度の方が急だったら「人々の変化が減少に棹さした」と言えるだろうし、人口減の角度の方が急だったら「人口減に割には地蔵盆は検討して残っている」と言えるだろう)。
後は、結構面白い個人のインタビューもやってきているので、彼らの生の声を借用しつつ、地蔵盆の現在を切りとることができれば、と思う。
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理由なく反抗?犯行? 

急に寒くなってきたせいか、今日は「体調不良で休みます」と言ってきた学生が多かった(K山さん、K沼さん、F原くん)。お大事に。でも、F原くんは巨人が負けたショックで・・・という噂があるが、本当か?
それはさておき、今日の発表者はF本さん。タイトルは「理由なき犯罪世代―近年の少年犯罪の実態とその要因」というもの。近年、少年犯罪が増加しているという「実感」が巷間喧しく叫ばれているが、その実態はいかなるものか、というのが彼女の発表の趣旨。これは、最近では社会学系の研究で、「体感治安は悪化しているが、実際のところ、十数年前に比べて現在は少年犯罪は少ないんですよ。増えているように感じるのは、メディアスクラムというか、珍しい事件を過剰にマスコミが報道したりするからですよ」と主張するものが多い(現在は、それが主流とさえ言えるだろう)。もちろん彼女のもその系譜に連なる研究である。要するに「犯罪に対する意識」と「実際の犯罪件数の推移」の乖離を暴く、という手法である。彼女も参考にしていた「少年犯罪データベース」のサイト制作者などは、学者ではないにしても、そういう「昔の方が実はひどかったんだ」言説(今僕が名付けた)の代表者といえるだろう。
戦前の少年犯罪戦前の少年犯罪
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また、最近では「気を遣いすぎる空間としての学校」を告発している土井隆義さんの本も彼女は参考にしていた(良いことだ)。

非行少年の消滅―個性神話と少年犯罪非行少年の消滅―個性神話と少年犯罪
(2003/12)
土井 隆義

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彼女の発表は先行研究を良く読み、きちんとまとめているので好感を持ったが、上記に挙げたような学説と「違う主張」が言えるかどうかが鍵になるだろう。発表の末尾部分で主に警察側の資料及び解説を読み込んでおり、これはなかなか面白いと感じたので、そっち方面で思いつきで良いから、グラフから「面白い見解」をひねり出して欲しいところ。僕も最後に質問したが、近年の非行少年の「高年齢化」の理由とか。これは、補導・検挙された年齢のピークが年々上がっていっている事例。例えば僕の同級生、すなわち1971年生まれでは14歳がピークだが、「神戸事件」を引き起こし、世代的に注目された1983年生まれでは16歳になっているなど。


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去年のT野さんも「発達障害」について研究して、それで卒論を書いたが、F本さんも今回の発表で少しだけ「調べかけ」と言いつつ「発達障害と少年犯罪」について触れていた。こっち方面も今は様々な研究が出ているだろうから、調べ甲斐はあるだろう。
司会者兼コメンテーターのTさんからは、最近の「高齢者の犯罪の増加」が取り上げられ、これも少年犯罪と同様「社会から孤立している」のではないか、という問題提起がなされた。それも一理あるだろうが、高齢者の犯罪は「スリル」とかではなくて、恐らく「生活苦」から(万引きがほとんどなのだ)であろうし、高齢者の場合、「再犯率」とかも考慮しなければならないだろう(刑務所から出たのは良いが職も家もなく、刑務所に戻るためにまた犯罪をわざと犯す、なんて話は良く聞くところ)。
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