スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

若者「右傾化」論の皮膜 

今日の発表者はK坂君。コメントと司会はH野君。発表タイトルは「「若者右傾化」論の批判的検討」というもので、90年代半ばから日本全体が右傾化し、特に若者の右傾化が目立つとされてきたこれまでの「言説」をもう一つメタに見てみようという試みと言えるだろう。ということで、これはある意味、後藤和智氏のような「若者論」論の一つ、といえる。
「若者論」を疑え! (宝島社新書 265)「若者論」を疑え! (宝島社新書 265)
(2008/04/09)
後藤 和智

商品詳細を見る

彼は主に朝日新聞の記事などを参照にしながら、その言説の「盛衰」をクロノロジカルに観察しようとしている。あんな例も、こんな例も、という手法は、ある意味小熊チック(笑)とも言えるが、言説分析をしようと思ったら、ある程度の「量」をこなさないと話にならないのも確か。
“癒し”のナショナリズム―草の根保守運動の実証研究“癒し”のナショナリズム―草の根保守運動の実証研究
(2003/05)
小熊 英二、上野 陽子 他

商品詳細を見る

1968〈上〉若者たちの叛乱とその背景1968〈上〉若者たちの叛乱とその背景
(2009/07)
小熊 英二

商品詳細を見る

今日の発表は論理的な破綻が無く、みんなも突っ込むのに苦労していたようだが、今後はどうやって先人たちを超えるオリジナリティを出すか、だな(どんなにできの良い卒論にも言えるのだけど)。
以下の本は彼が参照にした代表的なものだが、みんな、僕のネット上の知り合いなんだよね(実際にお会いしたことはないけど、メールやブログでの交流はある)。
嗤う日本の「ナショナリズム」 (NHKブックス)嗤う日本の「ナショナリズム」 (NHKブックス)
(2005/02)
北田 暁大

商品詳細を見る

不安型ナショナリズムの時代―日韓中のネット世代が憎みあう本当の理由 (新書y)不安型ナショナリズムの時代―日韓中のネット世代が憎みあう本当の理由 (新書y)
(2006/04)
高原 基彰

商品詳細を見る

カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)カーニヴァル化する社会 (講談社現代新書)
(2005/05/19)
鈴木 謙介

商品詳細を見る
スポンサーサイト

Muslim in U.S.A. 

今日の発表はT原さん。コメントと司会はS原さん。T原さんの発表は「アメリカにおけるイスラーム組織による活動─非イスラーム教徒との相互理解に向けて」というもので、タイトルの通り、アメリカ合衆国に存在する複数のイスラーム組織を紹介し、その活動や相互関係などをざっと見たもの。日本にはなかなか類書がないので、調べるのは大変だっただろう。とりあえず僕が貸した本は以下のもの。
宗教に分裂するアメリカ宗教に分裂するアメリカ
(2005/06/02)
ダイアナ・L. エック

商品詳細を見る

私はアメリカのイスラム教徒私はアメリカのイスラム教徒
(2002/02/20)
アスマ・グル ハサン

商品詳細を見る

僕もこのあたりの動きは全く知らず、基本的に事実関係は彼女に教えられる一方だが、学生諸君からも、事実関係、データの羅列の発表に少し不満を抱いたのも確か。要するに、分析部分が少し足りないのだ。このことは先週の相談の時も少し指摘したのだが、やはりまだ分析の元となる状況証拠を集めきるに到っていないことが原因。例えば、様々なグループの公式見解を集めて、どのような方針を持っているかなどの「声」が聞こえてこなかったことも、みんなが不満を持った大きな理由だろう。また、エスニシティとムスリムコミュニティの相関関係を上手く説明できていなかったことも惜しまれる(僕が質問したのは、シーア派コミュニティにおけるイラン系の動向とか)。
しかし、目の付け所は良いし、頑張ればそれだけでオリジナリティが出る素材だから、一歩一歩しっかりデータを分析していって欲しい。

スピリチュアリティについて 

今日の発表者はF瀬さん。発表タイトルは「スピリチュアルブームから考える日本人と宗教」というものだったが、実はこのタイトルからして問題含みでスタート。というのも、彼女の中で宗教やら霊性やらスピリチュアルやら新霊性運動(これは僕のお師匠様の用語だが)やらがどのような文脈で現れてきたか(というよりも流行ってきたか)というのをしっかりと押さえていないので、話があっちに行ったりこっちに行ったりしてしまい、それは学友からの結構厳しいコメント(みんな優しいから言葉を選びまくっていたが)でもしっかり指摘されていた。彼女の今日の発表の元ネタは以下の本。全部、僕の先生や先輩なので、僕としてもまあ詳しい分野だから、勢いコメントも厳しくなる(だって、僕に聞きに来れば全部答えちゃうのに、それをしないんだからなあ)。
精神世界のゆくえ精神世界のゆくえ
(2007/07)
島薗 進

商品詳細を見る

断酒が作り出す共同性―アルコール依存からの回復を信じる人々断酒が作り出す共同性―アルコール依存からの回復を信じる人々
(2007/04)
葛西 賢太

商品詳細を見る

スピリチュアリティ革命―現代霊性文化と開かれた宗教の可能性スピリチュアリティ革命―現代霊性文化と開かれた宗教の可能性
(2010/03/12)
樫尾 直樹

商品詳細を見る

今回彼女は葛西さんの研究をそのまま引用して、AA(アルコホリックス・アノニマス)について論じようとしたのだが、スピリチュアリティとは何か、を問うことなく、論点先取りで「AAにはスピリチュアリティがある」からスタートしているので、トートロジーになってしまい、残念ながら自滅。あるかないか、あるとしたらどんな点かは、最後に結論としていうべきものだと説教
コメンテーターのOS木さんが素晴らしいコメントをしてくれたので、多少救われたが。OS木さんは、AAからもっと宗教色を抜いて、非匿名・会費制で運営される日本の「断酒会」の事例を持ってきて、何故このような違いが出るのか、ということを考えては、とコメント。これには、去年ゼミで読んだ友人小池君の以下の本も参照されていた。
セラピー文化の社会学 ネットワークビジネス自己啓発トラウマセラピー文化の社会学 ネットワークビジネス自己啓発トラウマ
(2007/08/29)
小池 靖

商品詳細を見る

とにかく、AAだけでは論文が書けないので、根本から考え直すようにと諭して今日は終了。どっと疲れた。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。