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廃墟ブームとエジプトの死生観 

訳の分からないタイトルになったが、今日の発表2本のテーマを合体させるとこうなるのだから、仕方ない。
まずは、K坂君の「体験をもとめる社会―現代廃墟ブームの考察を通して」という発表。これはなかなかの力作の発表だった。彼はどっちかというと閃きで切り開いていくタイプだけど、ちゃんと地道な勉強もしていて感心。完成度も高かった。
このところ、廃墟の写真集だとか、「工場萌え」「ダム萌え」だとか、そういう風景に対するある意味過剰な思い入れが話題となっているが、その淵源はどこになるのか。まずK坂君は、18,19世紀におけるヨーロッパのロマン派とかの「廃墟ブーム」という「前史」を丁寧に追っていく。廃墟には静謐の中、昔を偲ばせる様な「静態的」なものと、今まさに崩れ落ちつつあり、現代に生きる我々に不安を惹起させるような「動態的」なものの2種類があるというのが大まかなまとめ。その元ネタの本は以下のもの。
廃墟の美学 (集英社新書)廃墟の美学 (集英社新書)
(2003/03)
谷川 渥

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廃墟のエコロジー―ポスト・モダンからの見なおし廃墟のエコロジー―ポスト・モダンからの見なおし
(1988/07)
岡林 洋

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「石の文化」で、廃墟が比較的きれいに残るヨーロッパや地中海世界と、湿潤で跡形もなくなくなってくさむらになってしまう東洋のモンスーン地帯とはやはり感覚自体が違うだろうけど、廃墟というのは、やはり何かしら我々の心を掻き乱す存在であることは間違いない。ただし、ヨーロッパのロマンティックな廃墟とはある意味対照的に、日本は、近代のコンクリートでできたモダン建築が朽ち果てている、というのが廃墟の実態であり、そこには、「過去」へのノスタルジーも、「未来」への不安よりも、「今現在」のむき出しの「何か」が感じられるのではなかろうか(このあたりは、K坂君は大澤真幸先生とかの理論社会学っぽい理論を引っ張ってきていた)。
ニッポンの廃墟ニッポンの廃墟
(2007/08/01)
栗原 亨; 酒井 竜次; 鹿取 茂雄; 三五 繭夢; 他

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廃墟旅廃墟旅
(2009/10/24)
中田 薫中筋 純

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廃墟ディスカバリー廃墟ディスカバリー
(2008/09)
小林 哲朗

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このあたりの写真集、僕も買っちゃいそうだな(笑)。

もう一人のT倉さんの発表は「古代エジプトから死生観を」というもの。パピルスに書かれた『死者の書』だとか、古代エジプトの神話だとか、「カー」と「バー」という霊魂の質の違いの考え方とかは結構有名なわけだが、このあたりはなかなか素人が口出しできる部分が少なく、今回の発表のある本の要約で終わってしまった観がある。
エジプトの死者の書―宗教思想の根源を探る (レグルス文庫)エジプトの死者の書―宗教思想の根源を探る (レグルス文庫)
(1989/10)
石上 玄一郎

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このあたりを考えるなら、やはり比較神話学的なものの見方が必要になるだろう。要するにエジプトの死生観の何が特殊で、何が普遍的か、というのを見極めるには、比較の手続きが必要。今回は準備不足が露呈したレジュメだったので(選んだ題材も、彼女の手に余ったと思う)、学期末にこういう発表をしてはいけない、今まで何を見てきたのだと説教。
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コメント

いやいや

いやあ、ただ単純に「エジプトの神話って面白そう」というところから出てないからねえ。概説書の要約で終わってしまったし。もしかしたら手を借りるかも知れませんが、その時は宜しく。

エジプト・・・ですか(汗)

今後もその方向で進めていきたいということであれば、さし当たり、愚僧にご紹介ください。
先日の「旅行学」の人と併せて。

役に立つかどうか解らない(爆)参考書をいろいろ提供したいと思います。
ただ、旅学はさておき、エジプト学の方は、著しく歴史学寄りになる悪寒がありますが。

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