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「構築」された宗教
今日はM原君の発表。タイトルは「現代におけるバリ・ヒンドゥー教徒の宗教意識」というもの。M原君は去年インドネシアに留学しており、その経験をもとにこのテーマで卒論を書く予定。

まず、インドネシア政府の宗教政策を掻い摘んで言うと、基本的にイスラームがマジョリティのこの国は、一種の「公認宗教」制度を取っている。即ち、「唯一神とそれに見合った教義、経典、預言者などを保持する宗教」を「国定の宗教(agama)」と呼び、それ以外の、例えば多神教的な民間信仰などはまとめて「俗信(kepercayaan)」というカテゴリーの中に入れられ、独立当初はバリのヒンドゥー教も「俗信」に入れられていた。そこで、バリのインテリ層(後に「パリサド」というグループとして統一され、現在も活動をしている)が、公認を得るためにバリ・ヒンドゥー教から呪術色を抜いたり、経典、教義の整備をしたり、一神教的な装いをする「啓蒙活動」を行い、1965年には晴れて公認宗教化し、現在では、その新たに構築された「バリ・ヒンドゥー教」の語彙でもって自分の信仰生活を民衆は語りつつも、実際にはその言葉と実践には乖離、齟齬がある、というのが今日の発表の眼目だったとまとめられようか。

有名なギアーツの理論なども借りつつ(って、そういうアドヴァイスをしたんだけど)、なかなかよくまとまっている発表だったが、せっかくフィールドワークをしてきた彼には、少しトリビアルなところを質問してしまう。実際「乖離」と「齟齬」が問題というなら、そういう日常世界でのトリビアルなところが大事になるはずだから。神も論文の要点も「細部」に宿るのだ。レジュメには載っていない細かいところを僕は集中的に質問したが、それなりに調べはついているようなので、卒論本文には是非書くようにと指導。

ゼミ | 【2006-11-27(Mon) 21:52:26】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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