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良妻賢母という規範とその「縛り」 

今年最後のゼミは、O田さんの「良妻賢母思想の成立と性別役割分業の浸透」というタイトルの発表。「良妻賢母思想」が、富国強兵路線を進める日本にうってつけの思想であって、江戸時代以前なんかは「女大学」に代表されるような女訓書は「賢い女」を想定していなかった、というのはもはや家族社会学や女性学の「常識」となっているが、今回のO田さんの発表も、まずはこの「常識」をもう一度先行研究を整理しつつ(小山静子先生とか)、実際に明治時代に使われた「女大学類」(女大学を「現代」風にアレンジしたもの。女学校で多く使用された)と「女大学論」(女大学を批判的に論評した書籍の類)を引用し、特に後者の「男女同権」と「性別役割分業思想」の共犯関係を振り返った発表とまとめられるだろう。事実、女大学を辛辣に批判した福沢諭吉や一条忠衛も、「男女は同権だけど、それぞれ役目や役割が違うよね」というところが限界だったとは指摘できよう(一条は「良夫賢父」思想も鼓吹しており、ちょっと違うところもあるのだが、省略)。

井上哲次郎や加藤弘之という東京帝大の大立て者も、けっこうこの「女大学類」の執筆普及に関わっているというのは、個人的に興味深い(まああのおっさんどもならやりかねないけど)。僕は彼らが書いたものはまだ見ていないので、O田さんには、特に加藤弘之が書いた『明治女大学(1901年発行)』という書籍にいわゆる社会進化論的な色彩が出ていないか確認するように要求する。
また、ゼミ生諸君には、今現在も隠然たる力で我々を支配しているかも知れない「良妻賢母」思想を考えてみるようにと指示(これはコメンテーターのT野さんの意見でもあるが)。

これは卒論の前振り発表だが、前半部分で終わってしまったのはいかにも残念。来週あたりに、今日発表できなかった部分の下書きを書くようにO田さんにお願いして、今日は終了。
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コメント

いやはや、教えるなどと、恐縮極まりますです。とはいえ、知る限りのことは教えたいと思います(って、そんなにこの問題を深めて追求しているわけでもないので、たいして知らないのですが・汗)。

いずれ、この問題でも一本書いてみたいという「野心」、を持っているので、こちらこそご指導ご鞭撻を賜りたいです。

そうそう、この問題は、君に聞きたいと思っていたんだよ、マジで。と言うわけで、今度教えてね。学生から「耳学問」して、ショートカットするのが僕は好きなんだから(笑)。

加藤の女大学ですか。
いずれ社会進化論と生殖の問題で一本書いてみたいな、と考えているので、実に興味深いですね。

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家族社会学について

家族社会学家族社会学(かぞくしゃかいがく、family sociology)は、集団としての家族とその形態や機能、そこにおけるさまざまな病理などを研究テーマとする学問。社会学の一分野。特に著しい20世紀の近代家族の変化をとりあげることも多い。現代までの家族の変容や、結婚、
  • [2007/02/15 02:21]
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